記事作成日:2026年3月13日

「お疲れ様。今、会議中で電話に出られないんだが、急ぎの案件で相談がある。至急、このQRコードからLINEグループを作って私を追加してくれないか?」

もし、あなたの会社の社長や役員からこんなメールが届いたら、あなたはどうしますか?

「社長からの直々の頼みなら、すぐに対応しなきゃ!」・・・その真面目な気持ちこそが、詐欺師の最大の標的です。

今回は、いま中小企業を震撼させている「LINE誘導型」のビジネスメール詐欺(BEC)について、その巧妙な手口と対策を解説します。

公式のアナウンスはこちら
【重要】社長⋅役員を装う「LINEグループ作成依頼」メールによる詐欺にご注意ください


なぜ犯人は「LINE」へ誘い出すのか?

これまでの詐欺は「偽の請求書を送り、銀行振込させる」という直接的なものが主流でした。しかし、最近はまずLINEという密室に連れ込む手口が急増しています。理由は3つあります。

  • 会社の監視から逃れるため: 会社のPCメールはセキュリティソフトが監視していますが、個人のLINEは「聖域」です。犯人にとって、誰にも邪魔されずにあなたを騙せる絶好の場所なのです。
  • 「特別感」を演出するため: 「社長と直接LINEで繋がっている」という心理的な距離の近さが、あなたの警戒心を麻痺させます。
  • 2026年の新常識「投資詐欺」への布石: LINEグループに誘い込んだ後、言葉巧みに「実は秘密の投資案件がある」と偽の投資アプリへ誘導し、数百万、数千万円を奪い取る事例が後を絶ちません。

犯人が使う心理テクニック

詐欺師はITのプロである以上に、心理学のプロです。本人確認させないために様々なテクニックを使ってきます。

  • 「多忙」を装う: 「会議中」「移動中」「接客中」など、「こちらから電話ができない理由」を必ず添えてきます。これで、あなたが電話で確認する選択肢を奪います。
  • 「極秘」を強調する: 「まだ他のみんなには内緒だ」「役員会を通す前の案件だ」と口止めし、同僚や上司に相談させないようにします。
  • 「期待」をかける: 「君の仕事ぶりを評価して、このプロジェクトを任せたい」など、承認欲求をくすぐる言葉を巧みに混ぜてきます。

これが届いたら「黒」!チェックリスト

メールの中に、以下の特徴が一つでもあれば、それは100%詐欺です。

  • メールアドレスが違う: 微妙に会社のドメインとは違うメールアドレスや、hotmailなどのフリーメールから送信されます。
  • 普段使わないツールを強要する: 普段はTeamsやSlackなのに、急に「LINEで」と言い出す。
  • 「ギフトカード」や「暗号資産」の話が出る: 「至急、コンビニでApple Gift Cardを買ってきて写真を送ってくれ」は、古典的ですが今も多い手口です。

詐欺にあわないために

もし怪しいメールが届いたら、以下の「3STEP」を徹底してください。

  1. 「別のルート」で本人確認する: メールの返信や、指示されたLINEは絶対に使わず、「知っている電話番号」に電話するか、対面で確認してください。
  2. 「疑うこと」を会社の文化にする: 「社長、さっきのメール本物ですか?(笑)」と笑って聞ける雰囲気こそが、最強のファイアウォールです。
  3. IT担当者に報告: あなたに届いているということは、他の社員にも届いている可能性があります。すぐに情報を共有しましょう。

最後に:被害を防ぐのは「仕組み」と「コミュニケーション」

2026年、AIの進化によって「本物そっくりの声や文章」が簡単に作れる時代になりました。技術で100%防ぐのが難しいからこそ、最後は「人の目」と「確認の習慣」が重要です。

「自分の会社は大丈夫」と思わず、今日から社内のルール作りをしてみませんか?


実例集

弊社従業員宛てに日々届いている詐欺メールの一部をご紹介します。 メールの宛先や会社名、社長の氏名などは社のホームページなどから収集したものと思われます。

差出人は会社名か社長の氏名、メールアドレスはxxxx@outlook.com、xxxx@hotmail.comのものが多いですが、プロバイダメールのこともあります。

LINE以外に、Microsoft Teamsの会議リンク作成を要求するもの、Webサイトに誘導するもの、メールで返信させるものなど、手口もいろいろです。

※文中の会社名やリンクなどは加工してあります。

お疲れ様です。

メールを受け取った後、今後の業務連絡をより効率的に行うため、

ご自身の個人LINEのQRコードまたはIDをこのメールアドレス宛に返信してください。

送付後、LINEで追加し、今後の業務連絡はLINEを通じて行います。


株式会社〇〇〇〇

代表取締役:△△△△



お疲れ様です。

本メール受信後、今後の業務連絡の効率化を目的として、 ご自身の個人LINEのQRコードを本メールアドレス宛にご返信いただきますようお願いいたします。

ご送付いただいた後、順次LINEにて追加させていただき、 今後の業務連絡はLINEを通じて実施いたします。


株式会社〇〇〇〇

△△△△



【重要通知】賞与に関する新着情報があります

【重要】2月度個人業績賞与支給のお知らせ

社員各位

お疲れ様です。 人事部でございます。

下記の通り、 2月度の個人業績賞与の支給が決定いたしましたので、ご案内申し上げます。

詳細につきましては、下記リンクよりご確認くださいますようお願い申し上げます。

※セキュリティの観点より、パソコンからのアクセスを推奨しております。

詳細はこちら

※上記ボタンがご利用いただけない場合は、以下URLをブラウザに貼り付けてご確認ください。 http://www.●●●.com/

何卒よろしくお願い申し上げます。

――――――――――――――――――

株式会社〇〇〇〇

代表取締役:△△△△

――――――――――――――――――


お世話になっております。

業務をスムーズに進めるため、弊社の従業員名簿および連絡先一覧を、私のプライベート メールアドレス(●●●@gmail.com)宛てに送信していただけないでしょうか。 お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

△△△△


株式会社〇〇〇〇 様

お世話になっております。 株式会社〇〇〇〇の△△△△でございます。

Microsoft Teamsにてご連絡させていただきたく、 恐れ入りますが、会議リンクをご作成のうえ、本メールアドレス宛にご送付いただけますでしょうか。

会議リンクを確認次第、30分以内にこちらより参加させていただきます。

お手数をおかけいたしますが、 お早めにご確認・ご対応いただけますと幸いです。

何卒よろしくお願い申し上げます。

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会社名:株式会社〇〇〇〇

氏名:△△△△

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【依頼内容】 業務用のLINEグループを新規作成してください。 グループ名は「△△△△」としてください。

作成が完了したら、生成されたグループのQRコードをメールボックスに送信してください

私はそのQRコードを使ってグループに参加し、その後、関連する業務の手配を進めさせていただきます。

【期限】 連絡を受けたら、すぐに実行してください。

株式会社〇〇〇〇


おはようございます

気分の良い一日になりますように。

本日午前中、オフィスにいらっしゃる可能性はありますか。

△△△△


【ご依頼】新規LINEグループの作成について

【依頼内容】 業務用のLINEグループを新規作成してください。 グループ名は「〇〇〇〇株式会社/〇〇事業所」としてください。

作成完了後、グループのQRコードを生成し、本メールへご返信ください。

私はそのQRコードを使ってグループに参加し、その後、関連する業務の手配を進めさせていただきます。

【期限】 連絡を受けたら、すぐに実行してください。

△△△△


お疲れ様です。

本メール受信後、今後の業務連絡の効率化を目的として、 ご自身の個人LINEのQRコードを本メールアドレス宛にご返信いただきますようお願いいたします。

ご送付いただいた後、順次LINEにて追加させていただき、 今後の業務連絡はLINEを通じて実施いたします。


△△△△



Re:【依頼内容】

業務用のLINEグループを新規作成してください。 グループ名は「株式会社〇〇〇〇」としてください。

作成が完了したら、生成されたグループのQRコードをメールボックスに送信してください ●●●●@●●●●.ne.jp

私はそのQRコードを使ってグループに参加し、その後、関連する業務の手配を進めさせていただきます。

【期限】 連絡を受けたら、すぐに実行してください。

△△△△






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