記事作成日:2023年2月13日

架空取引は、実態がないのに取引を行ったように見せかける会計上の処理を指します。

細かく分類すると、

  • 存在しないものを存在したように見せる「架空計上」
  • 実際の額を多く計上する「水増し計上」
  • 複数の企業間で商品の転売や業務委託契約を架空で行う「循環取引」

などがあり、決済代金の着服・流用・粉飾決算などを目的にして行われることが多い不正取引です。

架空取引というと経営者による多額な循環取引のイメージが強いと思われますが、営業担当者個人が行う事例も多く存在します。

営業担当者による架空売上計上の事例

今回は典型的な架空売上計上のひとつである「押し込み販売」の事例を紹介します。

3月決算のA社は、営業担当者それぞれに4月〜翌年3月の会計期間ごとに売上目標を定めています。 A社の営業担当者X氏が、取引先B社に対し”翌月に返品すること”を前提として購入を頼み込み、3月に50万円の売上を計上しました。この売上により、担当者X氏は一見、当期売上目標を達成できたように見えました。しかし、翌期の4月にB社は約束通りA社に50万円分の返品を行い、実際A社に儲けはないというケースです。

このような押し込み販売は、注文書や納品書が実際に発行され、商品も取引先に納品されるため、取引先の協力さえあれば簡単に行われてしまいます。取引先としては、売上と返品が相殺されるため、不利益になることはありません。

営業担当者とすれば、当期の売上目標は達成できたとしても、返品があれば翌期の売上成績が下がり、その分売上を増やさなければなりません。しかしながら、「あと少しで達成できる」「ノルマが厳しい」などの思いから、つい取引先に頼み込んで不正を働いてしまうのです。

架空取引を防ぐには

架空取引などの不正を早期に発見する施策としては内部通報窓口の設置があります。 窓口を設置するだけで抑止効果も見込めますが、機能を果たすには通報者が不利益を被らないように配慮することが重要です。

また、伝票や会計上の取引、商品やサービスの状況を照合しながら、不自然な取引がないかのチェックも有効です。

今回の事例のように、架空売上は期末日前後に行われる傾向にあります。このため、期末日前後に計上された高額な利益や普段とは違う取引などに着目することで、架空売上が判明しやすくなります。

内部通報窓口や取引状況のチェック体制の強化など、不正の早期発見も大切ですが、同時に不正が発生しないよう未然に防ぐほうが重要です。

過度な成果至上主義や厳しいノルマを課している状況があるので、バランスを取りながらマネジメントする技量が問われます。

また、システムやツールを導入するなど、風通しのよい職場環境、社内で情報が共有される仕組みづくりが必要となります。

「留守電くん」で情報共有を行い不正を予防

弊社サービスの留守番電話サービス『留守電くん』のように、低コストで導入でき、社内で情報共有ができるようになります。

具体的には、受電記録やメッセージの録音データが残せることで、情報を共有し、今回のテーマである架空取引という不正が発生するリスクの芽を摘んだり、未然に防いだりする仕組みづくりが可能です。

不正を未然に防ぐ仕組みづくりは、企業と従業員を守るためのものです。

『留守電くん』の導入だけですべてが解決するわけではありませんが、導入することで企業として従業員が不正を働ける環境を減らし、「不正させない仕組み」を整えてみてはいかがでしょうか。




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